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2010年11月30日 (火)

認知症セミナーin京都のご報告②

前記事の続きです。

 

認知症の基礎的な内容から始まった講演も、認知症を見分け、かつ、的確な診断と適切な治療を行なう為に避けられない部分へ展開して行きました。

「うつ」と「認知症」の関わりとその違いについて、ひとつの結論が導き出されたのが、今回の京都セミナーの大きな特徴だと個人的には感じます。

以下、雑感をまじえた講演レポ
何分にも素人の聴講ですので、記憶違いや解釈の誤りがありましたらご指摘をお願い致しますと共に、平にご容赦の程お願い申し上げます。

 

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認知症とうつ病の違いはとても難しい。

・うつ状態の中のうつ病

うつ病というのは、精神科に行かないと自殺してしまうようなところがあり、ほんの一握りの人が罹る病気。

表情の暗い高齢者の場合、うつ病までには至っておらず「うつ状態」であると言える。だから、認知症の人の中でも「明るい認知症の人」と「暗い認知症の人」がいる。

暗い認知症・・・レビー小体型認知症と脳血管性認知症
明るい認知症・・・アルツハイマー病とピック病

レビー小体型認知症は表情が暗いから「うつ病」と誤診されやすい。だから、表情の暗い高齢者は初診で精神科に行かない方が良い。⇒神経内科か老年科に行った方がまだ安心。その上で、本物の「うつ病」だと診られれば精神科を紹介されることになるだろう。

・認知症、パーキンソン病、うつ病の脳内神経伝達物質の不足状況

脳内の神経伝達物質で、それぞれ健常な人の2割程度に落ちると発病域値となる。
アセチルコリン⇒アルツハイマー病
ドーパミン⇒パーキンソン病
セロトニン、ノルアドレナリン⇒うつ病

軽度認知機能障害(MCI)や薬剤性パーキンソニズムのある人は、それぞれのグレーゾーン(前駆状態)にいると考えられる。

レビー小体型認知症の難しいところは、アセチルコリンもドーパミンも(セロトニンも)落ちるので治療が難しい。

・医師の頭を混乱させる事象

Ⅰ うつ病と認知症の関わり
①うつ病は、認知症のハイリスクである?
②10年前はうつ病?だったが、今はレビー小体型認知症(DLB)だという患者が実在。⇒最初からDLBだが、時期が早いとわかり難いので誤診されやすいジレンマがある。
③アルツハイマー型認知症(ATD)に違いないのだが、躁鬱の周期がみられる患者が実在。

Ⅱ ATDとDLBの関わり
①3年前はATDだったが、今は間違いなくDLBであるという患者が実在。⇒医師の誤診ではなく、実は脳内でDLBに変化して行くらしいという説があると言われている。

 

・「暗い患者」には興奮系を使う

認知症ではナイが暗い人の中に、脳血管性うつ状態がある。多発性脳梗塞を起こすと前頭葉の血流が落ちるのでうつ状態になる⇒元気にさせる第一選択薬は、サアミオン

認知症で暗い人は、レビー小体型認知症⇒低用量のアリセプト

認知症で明るい人は、アルツハイマーとピックで、
アルツハイマー ⇒アリセプト2.5㎎-10㎎
ピック ⇒フェルガード100。アリセプトを服用すると凶暴になる場合がある。

いずれにしてもいきなり抗うつ薬は使わない

・症例、≪軽度アルツハイマー型認知症におきた脳血管性うつ状態≫を画像を使って解説。

診察室に迎えた瞬間「うつ状態」であると判断←いつも笑っていた人が能面状態で、調子が悪いと訴える。
CTで視床に脳梗塞を確認⇒脳梗塞に対する処方を追加(サアミオン(脳血流改善薬)、プラビックス(抗血小板薬))で改善。←血管因子には血管用の薬をピンポイントで使用すると改善出来る。

 

・脳梗塞がおこす神経疾患

脳血管性認知症の陰性症状にアリセプトは▲←あまり効かない
脳血管性パーキンソニズムに抗パ剤は×←効かない
脳血管性うつ状態に抗うつ薬は×←効かない

上記3つの状態はいずれも、サアミオン+プレタールが効果的である(明確なエビデンスがある)

 

・うつ病チェック表

1、不眠、疲労倦怠感、頭痛、食欲低下⇒可能性あり
2、1の症状が2週間以上続いている ⇒疑いアリ
3、以前好きだったことが楽しめない ⇒たぶんうつ
4、日内変動(朝悪い)、早期覚醒、途中覚醒の不眠⇒うつ病

 

・抗うつ薬の二面性

抗うつ薬の恐いところは、うつ病の人と認知症の人では効き方が異なること。

うつ病の人⇒興奮系に効き元気が出る。治る。
認知症の人⇒抑制系に効き、陰性症状のある人は余計元気をなくす。ただし、陽性症状の強い人にはヨイ。

 

・うつ病と非定型うつ病の違い

非定型うつ病の人・・・・うつ病に見えない人のこと
       ↑
ジェイゾロフト(SSRI)…マイルドな抗うつ薬や不安を取る薬が必要。

 

・うつ状態とうつ病の理解と対応

§反応性うつ(夫婦喧嘩の直後など誰でもおきる)←環境整備で治る

§脳血流低下←サアミオン(興奮系)

§ドパミン不足←PD治療薬

§アセチルコリン不足←アリセプト(興奮系)

§セロトニン低下←SSRI(ジェイゾロフトなど)

ここまではプライマリケア医の守備範囲、

しかし・・・

▲セロトニン不足←強力な抗うつ薬 

は、精神科医の治療が必要。
早く治療をしないと自殺をしてしまう。

 

・危険な中枢神経系(精神科&神経内科)専門医の行為

レビー小体型認知症の人が精神科へ行く⇒うつ病と誤診⇒抗うつ薬(三、四環系)⇒認知機能、ADL、意識レベル、食欲など全ての面で低下する。(介護度が上昇)

レビー小体型認知症の人が神経内科へ行く⇒パーキンソン病に誤診⇒PD治療薬(Lドーパ)⇒妄想、幻視の出現、食事不能、せん妄を起こす。(緊急入院)

レビー小体型認知症の人が神経内科へ行く⇒アルツハイマー型認知症と誤診⇒アリセプト5-10㎎⇒歩行不能、食欲低下(死亡)

※アリセプトは最初はよく効くが、だんだん患者が怒りっぽくなる場合があり、その場合、アリセプトを減らしたり、グラマリールを増やす(抑制系を足す)などを考えると同時に、時期によって加減したほうがよいことを、多くの医師が知らないでいる←大問題である

 

・認知症医療への疑問、不信

①、医師の無知
検査もせずに「歳のせいだ」と決め付け。
「認知症が治るとでも思っているのか」と家族を罵倒。
家族が悪いから発病したのだ。

②、医師の無気力
病院に診断を丸投げして、病院からの処方を継続するだけ

③、専門医の自信過剰(特にDLB患者で問題化)
精神科⇒うつ病と誤診し、抗うつ薬を増やしてゆく
神経内科⇒PDと誤診し、PD治療薬を増やしてゆく

③は犯罪的処方である。

 

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・認知症のケア

『介護』と『薬』を両輪として、共に適切に整えるべき。

薬の調整は家族がしないと上手く行かない。
医者は患者の24時間がワカラナイから、基本的に医者には患者の都度都度の適量はワカラナイ。

法律では、家族が勝手に薬を触ってはイケナイと決められているが、認知症人の状態をコントロールする上では、困った法律と言わざるを得ない⇒法律が人を殺す

患者を守るのは家族(介護をする人)しか出来ない⇒家族は薬のことを良く知っておく必要がある

 

・標的症状と適合する薬

認知症の薬には、

1、興奮系
2、抑制系

しかない。

 

興奮系薬剤には、
・アリセプト
←中核症状
・サアミオン
←陰性症状
・シンメトレル
←陰性症状

だけ。
例えば、
ウロウロ徘徊しているのにサアミオンが出ているとか、怒りっぽいく夜も寝ないのにアリセプトが倍になったとかなら『オカシイ』と思わなくてはいけない。

 

抑制系薬剤には、
・グラマリール←陽性症状
・抑肝散←  〃
・セロクエル← 〃
・ウィンタミン← 〃
・セレネース← 〃
・その他 ← 〃

 

※アリセプトによる興奮を医師に伝えると、「止めると(病気が)進行する」と脅されるが、その場合、アリセプトを減量して抑制系を使うとか、フェルガードや来年発売のメマンチンで進行は止められるはず。

※精神科の医師は「リスパダール」を好むが、効き目が強いので、出来るだけ使わない方がよい。

 

・KONO METHOD のコンセプト
1、家庭天秤法
薬の副作用を出さないために、医師の指示のもとで介護者が薬を加減する。

2、患者と家族のうち一方しか救えない時は、介護者を救う。記憶を良くすることより穏やかにさせる薬を優先

3、安全で高い改善率の処方術
2007年より公開。認知症を何も知らない医師の方が、認知症を上手く治せる。

 

・漢方医学から学ぶ

病名や診断よりも、患者の苦しみを取り去るにはどうすれば良いか、を根本に考える。

①、陽証には瀉剤

②、陰症には補剤

を用い

『バランス(中間証)=健康』に持って行くことが肝要。

 

・漢方治療を認知症(周辺症状)治療に応用

①、周辺症状を消す
・陽性症状には抑制系
・陰性症状には興奮系

で、中間証にして、家族に笑顔が出た時点で、

②、本格治療を開始
・中核症状にはアリセプト⇒記憶が改善

本格治療は中間証にしてから、という考えに行き着いた。

※アリセプトは怒りっぽくなる(副次作用)を知っておき、これに気付くことが大事。

前期興奮-易怒(下痢)、目つきが怪しくなる
後期興奮-頻尿、頑固、神経質、
錐体外路症状-歩行障害(足が出難い、小刻み)

 

・アルツハイマー型認知症の治療

アリセプトはレセプトの規制で3㎎で2週間、その後は5㎎で処方することが法律で決まっているが、1.5㎎から開始して4週後に2.5㎎とするなど、少しずつ増やす。⇒興奮がなく、家族介護が楽である。

 

・易怒がある場合の治療

アリセプト少量から開始し、アリセプトを増量する際はグラマリールを併用するなどの工夫が必要。

 

・強い易怒がある場合の治療

アリセプトは出してはイケナイ
グラマリールで落ち着くのが先。その後アリセプトは少量から開始。

 

・易怒がある場合の長期戦戦略治療

アリセプト、グラマリールを併用しつつ、フェルガード100Mを投入して行くと、徐々に薬を減らして行け、そのうち薬が要らなくなる場合もある。薬がなくても、知能が上がり落ち着きも出る。

※プライマリケア医に求められる一番大事な仕事は、興奮した人には抑制系を処方するなどして家庭介護を楽にさせ、入院しなくても済むようにすること。⇒日本の医療経済も救済する。

※投与順等詳細は、Dr's blogに『モンキーチャート』として発表。(猿でも治せるから、と命名)

※家族にインテリジェンスがあれば、家庭天秤法で9割がた「笑顔」のある介護が出来るようになる。

 

・抑制系セロクエルによる姿勢異常
セロクエルは抑制系として良く効くが、最初は良くてもそのうち体が曲がるなどの姿勢異常が起きる。その場合は即中止をする。⇒元に戻るまで「0」にすることが大事。

 

・陽性症状が出たときの対応
1、興奮系薬剤をwash outする。
2、抑制系薬剤を増量する。

例)、アリセプト5㎎⇒5日程休薬⇒2.5㎎で再開
   グラマリール2錠を併用⇒落ち着いたら1錠へ

など。

 

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さて、以降はいよいよレビー小体型認知症やピック病の治療法についての解説、そして、うつと認知症についてのまとめになります。

(またしても、つづく)

・・・・うぅぅぅぅぅ(ノω<。)。書ききれない

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