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2017年7月 2日 (日)

認知症予防セミナーin金沢④

ご訪問頂きありがとうございます♪

管理人のkuririnです(^^)/

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はじめに、、、

我が家のみーちゃん(姑/88歳)は2007年にレビー小体型認知症と診断され2014年6月から要介護5になりました。初期症状や現在に至る経緯は「お義母さんのお世話」「レビー小体病に思う事」「レビー小体型認知症の初期症状など」カテゴリで綴っております。

このブログは、根治しない進行性のレビー小体型認知症に対し、適切な治療とケア次第で、普通に暮らせる時間が少しでも長くなるのではないか・・・と、ささやかな願いを抱きながら、レビー小体病に手探りで向き合う若輩・管理人の日々のアレコレを(息抜きもいっぱい・笑)綴っています。

(発症時と改善後の表情比較画像はこちらこちらをご覧下さい) 

 

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前記事の続きです。

 
◆認知機能障害
 
 
脳の働きがうまく行かず(第一部の講演でもあった通り)生活に困難や支障を来す状態を、大きくまとめて「認知症」と言われています。
 
 
 
▽認知症を起こす代表的な病気・病態
 
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今日お話するのは変性疾患です。
 
これは、何等かの原因で脳の神経細胞が壊れてしまう病気で、大きく3つのグループに分けられます。
1、アルツハイマー型認知症
2、レビー小体型認知症
3、前頭側頭葉変性症
 
この3つに共通しているのは、神経細胞が壊れて消失してしまう、ということです。
 
 
また、認知症には、脳血管性認知症もあります。
脳の神経細胞は、血液が運ぶ酸素とグルコースがないと機能しないため、脳内の血管が詰まったり断裂すると神経細胞にこれが届かず死滅します。
 
 
他にも、認知機能が障害される病気・病態は多々あり・・・
 
 
・お酒の飲み過ぎ(アルコール脳症)
 
・一酸化炭素中毒
などなど、様々な原因で認知機能が不全状態に陥ることがありますが(詳細はスライドその他の一覧↓を)、それらは早期発見で治す(元に戻す)ことが可能なタイプも含まれています。
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ところが、変性疾患脳血管性に起因する4つの認知症は、治療で元に戻すのは不可能だと言われています。ですが、そこにチャレンジしようというのが私の考えです。
 
 
 
▽4つのタイプの認知症をみる
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3つの変性疾患と脳血管性、あわせて4つのタイプはどうなっているのかまとめました。
 
 
・アルツハイマー型認知症
海馬や、後帯状回、頭頂葉の内部の楔前部(せつぜんぶ)および頭頂葉に異常が現れる。
(海馬は最初に短期記憶を留め、その後、長期記憶の前頭葉に送る、ということが行われている場所)
 
 
・レビー小体型認知症
後帯状回、頭頂葉の内部の楔前部(せつぜんぶ)、頭頂葉、後頭葉に異常が現れ、大きな影響がでます。
 
 
特に、後頭葉は目で見たものを認識する場所で、これがうまく働かないと、幻視・幻覚(実際にはないものが見える)症状が起こる場合もあります。(その他、運動症状・自律神経症状など症状は多岐におよびます)
 
 
・前頭側頭葉変性症
若年で発症しやすいと言われており、前頭葉および側頭葉が委縮するため、前頭葉・側頭葉に異常が現れ、異常行動に繋がる場合もあります。
 
 
・脳血管性認知症
前頭葉には、折れ曲がった切れやすい血管(大脳動脈や前大脳動脈)があり、脳出血や脳梗塞が起こりやすいため、前頭葉に異常が現れます。
 
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このように、脳の表面(大脳皮質)に障害が起きることで、円滑な社会生活が営めない状態に至ります。
 
 
 
◆認知症を来す神経変性疾患の特徴
 
では、なぜそのような困ったことが起きるのでしょうか。
 
 
▽特徴ある病変分布
・アルツハイマー病
海馬、側頭葉内側、頭頂後頭葉、など
アミロイドβが大脳皮質に沈着しており、更に、タウたんぱく質がリン酸化しており、これが原因ではないか(仮説)と言われ続けている。
 
 
・レビー小体型認知症
後頭葉、側頭葉、黒質、など
αシヌクレインが発見されている
 
 
・前頭側頭葉変性症
前頭葉、側頭葉
TDP-43の沈着が脳内にみられる。 
 
 
▽神経細胞の消失
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▽特異的封入体の出現
 
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患者さんの死後、脳を開いて調べると色々なことが判ってきました。(スライド下段画像)
 
 
▽治療薬開発のあゆみと現状
 
これまでアルツハイマー病の治療薬としてAβをターゲットにして来た。(Aβを減らせばアルツハイマー病の発症が改善する?、という目的の下で世界中の製薬会社が凌ぎを削り開発)
 
 
例えば、Aβの抗体を用いるとAβは完全に消失するものの症状は全く軽減されない、という矛盾が確認されていることから…
 
1、Aβが本当に原因なのか
2、それとも、結果なのか
3、あるいは別の原因があり最終的にAβが蓄積するのか
 
 
結果をいくらターゲットにしても治療には繋がらない。
 
 
検体は既に死亡した患者さんの脳を開き(剖検)、疾患別にそれぞれ画像のようなたんぱく質が多数みられた、ということで、既に亡くなった方の脳なので実際はもっと何十年も前に原因があった可能性もあり、その原因に辿り着けない限り医薬品で治療するのは相当難しいと言える現状がある。
 
 
認知症(治療薬)の研究はこれまで、「結果」ばかりを追いかけていたために「原因」が分からず「ふりだし」に戻っている、と言える。
 
が、今を生きる患者さんは待っていられない。
 
 
◆代表的な脳変性疾患
 
 
▽画像でみる
 
画像では、脳が活発に働いているところが赤く、一方、働いていないところが青で示されており、黒い部分は細胞のない場所で脳内の空洞です。
 
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・アルツハイマー病は、後頭葉が活発に働いているが、前頭葉の働きは悪く、海馬は働いていないのがわかる。
 
 
・前頭側頭葉変性症は、前頭葉はほとんど働いておらず、海馬のはたらきも悪い。
 
 
・レビー小体病は、後頭葉に活性がみられない。
 
 
このように変性疾患3種の典型例の脳をみてみると、明らかに違いのあることが判ります。
 
 
▽臨床症状でみる
 
 
■アルツハイマー型認知症
 
 ・発症年齢
  年齢は、若年発生もあるが70歳前後に多く高齢になるに従い増加する。
 
 
 ・性差→女性に多いと言われている(理由は判っていない)
 
 
 ・症状の特徴
  記憶の障害が初期症状
  様々な進行し、時間や場所などが正しく認識できなくなり、計算障害も出て来る。
 
 
■前頭側頭葉変性症
 
 ・発症年齢
  40歳~60歳と比較的若年でも発症
 
 
 ・性差→男女差なし
 
 
 ・症状の特徴
  初期から怒りっぽくなる、無頓着になるなど性格(人格)の変化が現れる。同じ行動を繰り返す(常同行動)
 
 
■レビー小体型認知症
 
 ・発症年齢
  若年発症もあるが70歳前後に多い
 
 
 ・性差→男性に多いと言われている
 
 
 ・症状の特徴(ない人もいる)
  リアルな幻視が特徴
  運動障害、無表情
  うつ、無気力
  便秘をはじめとする自律神経障害
  精神安定剤の服用で全身状態が悪化するケースもある
 
 
◆画像でみる脳血管障害
 
▽脳梗塞
  
脳の血管が詰まる
 
心臓の悪い方の場合、血栓ができても心臓の血管はとても太いので良いが、血栓が脳に運ばれてしまうと、脳の血管はとても細いので詰まることがある。
すると、その血管で養われている神経細胞は死滅する。
画像診断では、患部が黒く映ります。
 
 
 
▽脳内出血
 
脳内の血管が切れてしまうことで、細胞に栄養が届かず死滅する状態。
 
画像診断では、幹部は白く映ります。
 

 
▽注意するところ
 
「脳梗塞」と「脳内出血」は症状が酷似しているが治療は真逆。
 
脳梗塞は血栓を溶解するなど、取り除く必要がある。
 
脳内出血は血液を凝固させる処置が必要。
(仮に、この診断を誤り逆の薬剤を投与すると取り返しのつかない事態へと発展する。)
 
 
こうしたアプローチで脳内の血管のトラブルにより神経細胞死が起きることで認知症に至る。
 
 
◆認知症の種類別 患者数の割合
 
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一般的によく目にする図で、これに拠ると我が国における患者数の割合は・・・
 
・アルツハイマー型認知症は、50%
 
・レビー小体型認知症は、20%
 
取り分け「レビー小体型認知症」は発見者が日本人で、日本で調べると概ね20%という数字になるが、アメリカの統計では10%で、国よるバラつきがあると言え、その背景として診断する医師の経験と知識が影響していると考えられる。
 
 
◆日本の認知症の患者総数の推移
 
アルツハイマー病患者は15年間で「18倍」の増加。

 

グラフにおいて患者が急激な右肩上がりで増えている背景について考えたいことがある。

 

グラフの示す1996年の社会は現在ほどアルツハイマー病が周知されておらず、更に、1960年代にまで遡るとほとんど知られていない(知っていたのは研究者くらい)頃で、医師ですら診断できないことも少なくなかった。

 

いま、世界中で注目されていることから医師にも広く知れ渡り、怪しげなものはなんでもかんでも「アルツハイマー病」と診断されている側面(危険性)は否定できない、と読み取れる側面があり得るのではないか。

 

併せて、アルツハイマー病の診断技術の向上もグラフに反映されている点、その他、環境因子が関与している可能性も否定できないだろう。

 

▽睡眠薬の影響 ←重要sign03sign03ここで、米田先生が実際に経験された症例を報告。

現在、睡眠薬は、うつ・統合失調症・発達障害多・てんかんをはじめ、実に多くの疾患に処方されている現状があります。

 

更に、高齢になると眠れなくなることもあり、かかりつけ医によって割と安易に処方されている現状があるのではないか。

 

特に、高齢者の場合、内服当初はそれなりに効果が得られるものの、内服を継続する過程で効きが悪くなるケースも少なくなく、勝手に用量を増やして内服してしまう患者がいる。

 

すると、確かによく眠れるのだが翌朝の起床後も薬効が継続しており「ボーーーーっ」とした状態がみられるようになり、朦朧とした状態で家族が病院へ連れて行き検査を受けると、例えば「100から7を引いてください」との問いにも満足に答えられないため、「アルツハイマー病」と診断されてしまうが、実は睡眠薬中毒だった。

 

睡眠薬が怖いのは、耐性と薬物依存などで薬がないと生きて行けない状態に展開しやすいこと。

更には、薬を止めると禁断症状が現れ、意識が混濁した状態にすらなるため、この時に病院で検査を受けると、ほぼ誤診されてしまう現実があるのではないか。

 

上画像の急上昇を示すグラフには、睡眠薬中毒の高齢者も含まれている可能性は否定できず、その危険性は深刻である。

 

睡眠薬はたいへん良い薬ではあるが使い方を間違えると怖い、ということを覚えておきたい薬剤の1つである。

 

特に、高齢者の場合、毎日内服するのは危険で、せめて2日に1回、もしくは3日に1回、更にはもっと頻度下げる方が安全である。

 

また、効き目を求め勝手に用量を増やすのは、日中の覚醒レベルにも深刻な影響を及ぼすため、危険。

 

昨今、睡眠薬は比較的安易に処方される薬剤で、 そこには製薬企業の経済効果や医師の経済事情など様々なファクターが絡んでのことと推測されるが、そこは実際に内服する方が自分で良く考え、「睡眠薬は危険だ」と認識を持つことが大事なのではないか。

 

◆全世界の認知症患者数の予測

  
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薬害等々の影響も含め、このまま推移すると2050年にはアルツハイマー病は1億3500万人に達すると予測されています。

 

尋常ではない数ですが、先の話も鑑みて「本当にアルツハイマー病なのか?!」もしくは「何かの薬物中毒などの薬害なのか?!」という危険性を考えて行く必要があるのではないでしょうか。

 

◆アルツハイマー病の防御・促進因子

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詳細は第一部・榎本先生のご講演でもあった通りです。

この図は、統計学的にまとめてあります。

 

防御因子に「アルコール」とありますが、これはあくまで「適量の場合」を示します。過度なアルコールはアルツハイマー病の発症因子になります。

 

高血圧の方が降圧剤でコンロトールするのは大事なことです。

 

一方、促進因子の中でも「遺伝的要因」は、僅かとはいえ除外はできません。また、加齢をはじめ、社会的経済的要因、高血圧などの血管因子、ライフスタイル、うつ病、頭部外傷なども挙げられます。

 

このように、アルツハイマー病の防御因子と促進因子が判って来ている中で、取り分け「食事」は非常に重要です。毎日なにを食べるかは実は大きなキーファクターで、その影響はヒトの身体で強く現れて来ると考えて良いです。

 

◆認知機能障害の発生リスク

更に、第一部・榎本先生のお話と関連したお話です。 

「外出」は脳の刺激になることが判っています。

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※東京都健康長寿医療センター研究所調べ(2006年)
※年齢やもともとの健康状態の影響を除いて、外出頻度の独立した影響を算出。
※グラフ中の「発生リスク」は、「1日1回以上」を「1」としたときの数値。

上図で、1日1回以上の外出を「1」とした場合、1週間に1回以下の人は3.5倍認知機能障害発症のリスクが高まる事がわかっています。

 

◆ヒト追跡調査

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金沢大学医学部で実施された統計学調査より。

 

石川県中島町在住の60歳以上日本人男女490名に対する追跡調査が実施された。

 

157名が毎日飲用
195名が隔日飲用
138名が緑茶飲用なし

 

約5年間の調査の結果、緑茶毎日飲用者には認知機能低下者(認知症およびMCIが)有意に少ないことが判明
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珈琲や紅茶飲用の場合には変化はみられないことから、継続的な緑茶飲用が認知機能維持に重要か?
(出典/Noguchi-Shinohara et al.,PLoS ONE9, e96013,2014)

 

研究は現在、全国1万人追跡調査が行われており、近い将来結果が判ることになる。

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この研究では「緑茶が良い」というところはわかっているが、緑茶の何が良いか(成分)までは今の所まだ解明されておらず、緑茶成分のカテキン(ポリフェノール)に注目されているようだが、実は、アミノ酸の「テアニン」こそが有用成分なのではないか、というのが米田先生の考えであり研究です。

 

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ここまで、認知機能障害をめぐる基本的な解説を伺い、後半をより理解できる準備が為されました。

 

いよいよこの先からは佳境。緑茶成分である「テアニン」の解説へ展開して行きます。

ご期待ください。
(つづく)

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